· 

あいさつ|保育の窓

 挨拶は人と人との関わりのきっかけになるので、わが子が誰にでも、元気にはきはきと挨拶できると、とても嬉しいと思います。

 では、どのように教えたらいいのでしょう。子は大人が人と関わるのをとてもよく見ていて、それを見本にし、真似したり、学んだりしていきます。大人の立居振舞や言葉が手本になります。保育園では保育士同士、保育士が子に関わっている姿を見て、感じ、学んでいきます。

 朝の挨拶の時、先生が一人ひとりに「○○ちゃん、おはよう」(今日も元気に来れて、会えてよかったね、今日も楽しく遊ぼうね、という気持ち)と心をこめて名前を呼んで挨拶すると、子の方にもその気持ちが伝わります。そして「先生、おはよう」と言える子もいれば、心の中で思っていても、言葉に出すのが恥ずかしい子もいっぱいいます。子は心の中で、思い、言っているので十分だと思います。「おはよう」「おはようございます」という形だけの単語を言うことが大切なのではなく、言わなくても相手のことを思うことが大切です。大人が無理に言わせる必要はないと思います。幼児期は言葉の奥にある思いを感じることができる特性を持っています。自分で言えるようになるまで、はげまし、見守ってあげてください。

 栄養士の石井先生が、「今年のやま組さんは給食やおやつの後、全員『ごちそうさま』『すっごくおいしかった』『いっぱいおかわりした』『ありがとう』等々わざわざ戸を開けて言ってくれ、とても嬉しいです」と言っていました。友達が言っている言葉を聞いて心地よく感じ、自分もこの気持ちを「作ってくれた人に伝えたい」と自然に自主的に感謝の気持ちを伝えられていて、聞いていて私も嬉しくなります。

われわれ大人も子の見本であることをしっかり意識しなければいけませんね。

 

黒瀬能子